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[概要]核物質のテロ組織などへの拡散を警戒する米政府が、1996年から今年夏まで、京都大や日本原子力開発機構(本部・茨城県東海村)が保有する研究用原子炉から、核兵器約20発分に相当する高濃縮ウラン計579,7キロを搬出、米国に移送してしていたことが27日にわかった。

 米核安全保障局(NNSA)高官や日本側関係者が明らかにした。これで日本にあった主要研究炉から、ほぼすべての高濃縮ウランが回収され、米国に移送されたことになる。

[コメント]2006年の10月、北朝鮮がプルトニューム原爆の核実験を行った時、日本には核実験が必要のない(※)ウラン原爆に転用可能な高濃縮ウランを大量に保有していることを知る人は少なかった。私もそのことを最初に聞いた時は驚いた。その話をして頂いたのは京都大学の教授の方からであった。

 その教授の話の中からエピソードを紹介すると、アメリカの議会で日本にある高濃縮ウランのことが問題になった。その京大教授は米議会の秘密公聴会に呼ばれ、委員(議員)から質問されたそうである。「もし、テロリストが家族を人質に取り、高濃縮ウランを要求したらどうするか」という質問である。その教授は、「家族は死ぬしかない」と答えたそうだ。教授が一切の迷いもなく、淡々と答えたことに、米議会の議員たちは感動する者もいたという。(この件は秘密会なので公表されなかった)。

 私もその話しを今日のこの記事を読むまで人には黙っていた。再度言うが、高濃縮ウランの原爆は広島型とよばれ、核実験なしで確実に核爆発が可能な核兵器になる。日本はこれを意図的に秘密にしたわけではない。アメリカやIAEAなどは知っていた。しかし韓国の研究者には数グラムでも高濃縮ウランの実験をすることをアメリカは許さなかった。韓国の核研究機関で濃縮ウランの実験が行われた時、この研究機関をIAEAが緊急の査察を行って実験を潰している。韓国の研究者は「せめて日本並みにして欲しい」と嘆いたのはこのことである。しかしその韓国の研究者も、日本に580キロもの高濃縮ウランがあるとは思わなかっただろう。

 軍事ジャーナリストという職業をやっていると、取材で知り得ても、公表してはいけない事実というものがある。相手から、「これはオフレコで」という条件がなくとも、私が自主的に判断して公表しないことも少なくない。

※プルトニューム原爆(長崎型)は核分裂に必要な「爆縮」を起こさすために精密な起爆装置を開発する必要がある。そのため必ず事前に核実験で成功を確認する必要がある。しかしウラン原爆は数個に分けた核物質(高濃縮ウラン)をぶつけるだけで核分裂を起こして核爆発する。核爆弾の構造自体が単純で確実に核爆発するので事前の核実験は必要としない。

最新情報 (via etecoo) (via kml)
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