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私は家庭の事情もろもろもあり、博士課程を中退して就職をしている。その際、最初は日本のメーカーへの就職を考えたので、各社の人事課に電話をし、自分の学歴を簡単に紹介した上で、博士課程中退で来年4月から就職をしたいが可能か、を問い合わせた。電話をした企業の多くで「通常の就職活動プロセスに乗らない形では採用しません」「修士卒業から1年経ってからの就職はちょっと難しいです。博士を卒業してください」などとお断りされた。予想はしていたものの、現実を思い知らされたときは結構凹んだものである。学歴の問題とは思えなかったし、電話での話し方が問題とも思えなかった。単純に採用プロセスに乗らない形での採用は、多くの日本の大企業では行わないためであると思われた。
結果として、そういう採用プロセスにこだわらない外資系の企業だけを受けて、その中のひとつに就職したのだった。蓋を開けてみたら、私の東大物理の同期のうち、10名程度が博士を中退して就職等したが、数名が国家公務員試験を受けて役人へ、数名が外資系とベンチャー企業への就職、残りは医学部や法化大学院の再入学だった。
恐らく、私や同期たちのように博士課程まで行ってから就職するなんていう冒険をする方が世間知らずだろう。東大を出ても、博士中退とか企業の採用時期と異なるタイミングで就職活動しようと考えたら、外資やベンチャー、または資格を取るしかないわけだから。今の若者はかつての若者よりも、ずっと世の中の道理が分かっていて、世渡りがうまいのではないか、と思う。それを「内向き」とだけ言い切って切り捨ててしまうのは無理がある。
「最近の若者は内向きだ」仮説の誤謬 - My Life After MIT Sloan
